目次
アメリカ留学時代の創立者たち/帰国後の創立者たちの動向/
相馬永胤日記に見る専修学校設立までの創立者たち
第2章 専修学校の創立と法律科の隆盛
専修学校の創立/法学雑誌の刊行と学会活動/通信制教育の確立/
行事から見る専修学校/修学案内雑誌に見る専修学校
第3章 明治期の専修学校法学徒たち
学生から見た専修学校/卒業後の法学徒の行方/東都に集まる学生たち
/同窓会の誕生
第4章 明治初期から中期に設立された法律学校
東京帝国大学と司法省法学校/黎明期の私立法律学校/
明治一〇~二〇年代に設立された私立法律学校
第5章 国家による教育政策と私立法律学校
帝国大学の管理下へ/特別監督学校としての特典/
特別監督学校の卒業試験とその紛争/特別監督学校から特別認可学校へ
/特別認可学校の特典と批判
第6章 競い合う私立法律学校
連合討論会の実施/連合討論会における専修学校の法学徒たち/
法学予備校の設置/新たな私立法律学校の誕生と五大法律学校の対応
第7章 法典論争と私立法律学校
法典論争の経過/専修学校関係者による法典編纂論/
民法論争の結果とその後の法律学校/専修学校法律科の衰頽と募集停止
「五大法律学校の時代」総合解説
関係年表
内容説明
専修大学史資料集全10巻の内の第1回配本。
専修大学は、明治13年日本で初めて法律科と経済科を併設した高等教育機関「専修学校」として誕生した。この時期、専修大学のほか、法政大学、明治大学、早稲田大学、中央大学も私立法律専門学校として誕生しており、当初この5校は「五大法律学校」と称されていた。
この名称が示すように法律と経済の両方を教える学校としてスタートした「専修学校」も当時は経済というより、法律の専門学校というイメージが強かった。その理由を探るべく、なぜ創立者はこの時期に法律を学べる学校をつくったのか、「専修学校法律科」ではどのような授業が行われ、どのような学生が育っていったのかといった視点から編纂したのが本資料集である。
しかし、専修大学だけを取り上げても当時の私立法律専門学校の全体像を知ることはできない。「五大法律学校の時代」と名付け、他の学校の資料も数多く収録したのはそのためである。明治期の専修大学を知ってもらいたいと考え、第1回の配本として刊行した。