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リンドン・B・ジョンソン大統領と「偉大な社会」計画

”ニューディール社会福祉体制”の確立と限界

リンドン・B・ジョンソン大統領と「偉大な社会」計画
著者 末次 俊之
ジャンル 政治
出版年月日 2012/02/28
ISBN 9784881252697
判型・ページ数 A5・322ページ
定価 本体3,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

まえがき
序論 本書の目的と研究史の概観
第一部 リンドン・B・ジョンソンの経歴と立法指導
第1章 ジョンソンの経歴と立法指導
 第1節 はじめに
 第2節 ジョンソンの経歴と政治的立場
 第3節 ジョンソンの政治指導力
 第4節 ジョンソンの議会対策
 第5節 おわりに―ジョンソン大統領の評価をめぐって

第二部 「偉大な社会」計画の構想と展開
第2章 アメリカにおける社会問題と課題
 第1節 はじめに
 第2節 公民権問題
 第3節 貧困問題
 第4節 医療保障問題
 第5節 教育問題
 第6節 生活の質の問題
 第7節 その他
 第8節 おわりに
第3章 一般教書演説(1964年-1969年)に見る「偉大な社会」計画
 第1節 はじめに
 第2節 1964年の一般教書
 第3節 1965年の一般教書
 第4節 1966年の一般教書
 第5節 1967年の一般教書
 第6節 1968年の一般教書
 第7節 1969年の一般教書とジョンソン政権の総括
 第8節 公民権の拡大
 第9節 貧困との戦い
 第10節 医療および教育
 第11節 生活の質
 第12節 その他
 第13節 おわりに

第三部 「偉大な社会」計画の促進
第4章 公民権法―少数派の差別撤廃
 第1節 はじめに
 第2節 リンドン・ジョンソンと「人種差別撤廃」
 第3節 ジョンソンと1964年公民権法の成立
 第4節 おわりに―1964年公民権法成立の意義とジョンソンの役割
第5章 経済機会法―貧困追放
 第1節 はじめに―「貧困との戦い」の背景
 第2節 アメリカにおける貧困とその実態
 第3節 経済機会法の成立
 第4節 経済機会法の内容
 第5節 経済機会法の実施
 第6節 おわりに―経済機会法の評価
第6章 メディケア・メディケイド―老齢者医療保障と低所得者医療扶助
 第1節 はじめに
 第2節 1965年社会保障改正法案(メディケア・メディケイド)の意図と背景
 第3節 メディケア・メディケイドの内容
 第4節 おわりに
第7章 初等・中等教育法―教育機会の改善
 第1節 はじめに
 第2節 ジョンソンと教育政策
 第3節 ESEA成立の背景
 第4節 ESEAの内容
 第5節 おわりに
第8章 レディ・バード・ジョンソンと高速道路美化法の成立―環境問題と景観問題
 第1節 はじめに
 第2節 「偉大な社会」計画とレディ・バードの活動
 第3節 高速道路美化法案成立の背景
 第4節 高速道路美化法案の内容
 第5節 おわりに
結論
参考文献
あとがき

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内容説明

リンドン・B・ジョンソン(1908年米国テキサス州生まれ)は1937年、民主党から出馬して下院議員となり、1948年に上院議員に転出、そして1953年には上院院内総務に就任した。1961年、J・F・ケネディ大統領の下で副大統領になるも、ケネディの暗殺により1963年、第36代大統領に昇格した。 ジョンソン大統領は、内政面では、「偉大な社会」計画を促進してアメリカの社会福祉を充実させた一方で、他方、外交面では、ベトナム戦争に深く介入して多くの国民の批判を浴び、この責任をとって1969年退陣に追い込まれた。  ジョンソン大統領の評価については、ベトナム戦争への介入とエスカレーションの故に “負の遺産”の方に関心が集まっていたきらいがあるが、ジョンソンが促進した「偉大な社会」計画を詳細に検討すると、それはアメリカに取り残されていた社会問題を解決し、社会変動にも十分対応した“進歩的・改革主義的”側面を有していたことが明かにされる。実際、ジョンソン大統領は、黒人公民権の回復、貧困追放、教育への連邦補助、高齢者医療保険などの社会福祉の分野で多大な業績を挙げたのである。  本書ではジョンソン大統領が進めた「偉大な社会」計画の分析を通じて、いわゆる「ニューディール社会福祉体制」の確立と限界を論じている。

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